小バカンス

「なにをいまさらいっているのだ」




今日は昼から部屋を片付けて衣更えをしていたのだが、床に落ちていた漫画「夏の手」(それはある日に自分でそこに放置したのであったが、)それをその場に座って読み始めてしまった。読み終えると一時間くらい経っていて(それはたぶん)、なんだかぼーっとした。


いいなあ。


もう半分くらい夏だな。


そしてあんパンを食べる。


台所にあったやつだ。


こしあんだ。





それを食べながら、そのあんパンが入っていたパッケージの裏を見ていたのだが、そこには「乳化剤に使用されている大豆の中に遺伝子組換えの大豆が含まれているかもしれない」というようなことが記されていた。




ふうん。


ぼくは食べる。


そういや、ぼくらも既に遺伝子組換えされている気がするよね。


世界はとっくにおわっていて。


健康に気を遣っている人が病気になったら少し面白くもあり。





いや不謹慎だけど。





長生きできるなにかが開発されない限り、今生きてる人間は百二十年後には誰もいない。


それは不思議な気分。


不老不死なんか目眩がする。


いつかは終わってほしい。


でも楽しければいいかとも思うゲンキンさをぼくは兼ね備えてしまっている。


そしてあんパンはうまい。


彼に罪はない。


うますぎる。





ひたすらにうまかったので、ぼくの体はそれが本当は毒で何か大切なものが組換えられていたとしても、喜んでそれを吸収しているはずだ。





素晴らしくのんびりして、漫画はいけてる。食べ物も最高。


ぼくはあたまんなかフリーウェイ。


注意喚起の看板は錆び付いていて、


一見してもそれは誰の気にも留まらない。


走り去るcar、トラック、car。


だけどそれは本当の事が書いてある。


それで。


「俺たちはどうすりゃいいんだ」


考える前に僕は部屋を片付けなくちゃならないというのに。


不安にだけさせるのは良くないなあ、君。


ちゃんとおわりを与えてくれないと。


わあー、


もうぼくのお休みがおわっちゃう。